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話し声や笑い声、従業員の挨拶に加えて、店内のBGM、に食器が擦れる音など、ありとあらゆるガヤガヤとしたノイズだらけの空間は・・・

まるで密室のように僕らを親密にさせていく。


僕とキミは、一度、ホテルの部屋に入り、そしてすぐに荷物を置いて、ロビーに下りた。そして、(ホテル内にあり、そのまま直結でいける)レストランで食事を取っていた。


薄暗い照明は、僕らの周囲への警戒を和らげ、そして騒然とした店内は、僕達がどんな話をしようとも、それを他人に漏れ聞かれる心配をなくさせた。そういう安心感からか、または時間を気にすることのない余裕からか、ゆっくりとした気分で、互いの話に耳を傾け、そして、自分の話を嬉々として話していた。


キミは、学生の傍らで、普通の子とはちょっと違う肩書きも持っていて、その事に少なからず関心をいだいていた僕はとても興味深くその話を聞かせてもらったりもした。


このくだりは、僕らにとってとてもプライベートな話なので、どういう会話をしたかを書くわけにはいかないので、その代わりといってはなんだが・・・僕とキミが、この時、こうしているのに至った経緯を少しだけ。


キミは、僕の日記の中にある、僕の昔の彼女との話(-ビビッドなセピア色-Vol.1~5)を掲載したのを読んでくれて、「涙が止まらなかった」といった内容のコメント?メッセ?をくれたがキミだった。

僕の中ではあまり明るい話ではなく、自分の中で凝り固まったシコリのような記憶だったので、こうした共感を得られたことは正直とても意外なことだった。


だからという訳ではないが、その事は僕にとっては嬉しいことで、キミへの好意を増させたことは少なからずあったように思う。

また、好きな本の話から他愛もない日常の話など、価値観やテンポがとてもよく合っていたのも手伝って、僕とキミは急速に親密さを増していった。


しかし、キミはとても忙しく、また容易に時間を作れる立場では無かったのに加え、互いが住む街が遠く離れていたことから、僕たちが会うことは無いと思っていた。

少なくとも、キミから勇気ある提案をもらうその時までは。


僕らがメッセを交換するようになって1ヶ月をすぎた頃、キミから

『東京に行ったら会ってくれますか?』

というメッセが届いた。

…正直、心が躍った。

「もちろんだよっ!!」

しかし、一抹の不安がないわけではなかった。

年度末、そして新年度が一緒にくるこの季節はやはり多忙を極めるから、キミがこちらにこれる日が、必ずしも時間を作れるわけではなかったからだ。

そして、僕は恐る恐る、キミに伺いを立てる。

僕「もし、来れるとしたら…いつくらいなの?」

こう聞いた時点で、僕が時間が作れる日は、殆ど用意されていなかった。一縷の望みをかけて、キミに聞いた。

キ「…ん~4月に入ってからで、学校が始まる前がいいなぁ~」

僕が時間を作れる日も当然4月に入ってからだったので、僕は意を決して、

僕「○○日ってどう?」

と確認をした。すぐにキミは

キ「○○日…?分かった!ちょっと確認してみる!!」

そういって、しばらくしてから

キ「ハルちゃん!!!○○日大丈夫だよっ!!!」

…僕は、再び、いやまじりっけ無しで、心が躍り始めた。

こうして、僕とキミは、春の…関東では、薄紅色の花びら、色めきそして、一旬の彩を、誇らんばかり咲き乱れる頃に、会うことになった。

僕らは、素直に会えたことを喜び合い、そして、届いたグラスで乾杯をした。そして、オニオンリングや、海老のサラダなど、次々と運ばれる料理を平らげながら、僕らは少しずつ打ち解けていく。

キミはとても聡明な女の子だった。自分の思っている事をきちんと言葉に出来ること、そして、それらをそのまま吐き出す前に、自分の中でろ過をして、相手を不快にさせない配慮をしてから、口に出すこと。また、物事にきちんと価値観をもっていて、それと照らし合わせながら物事の分別を行なっていくこと。

僕がキミの年の頃には持ち合わせていなかったバランス感覚をキミは既に兼ね備えていた。僕が感じた、キミの大人びた印象は、こういう部分に寄る所が大きい気がした。


そのようなスマートな前提に立った上で、軽やかに交わされる言葉のやり取りは、やがて心地よいリズムを生み出し、コミュニケーションの濃度が増してゆく。僕はキミを知り、キミは僕を知る。そして、その濃密なコミュニケーションは、キミを知ることへの渇望を僕にもたらした。

もっと深く。

もっと濃密に。


…僕は、テーブルの上にあらかた片付いた料理の皿に一瞥して、

僕「じゃあ、そろそろ、いこうか?」

魔法の扉へキミを誘った。


キ「…うん。」

キミは満面の笑みで、僕に言う。


会計を済ませ、キミに手を差し出す。差し出した手に、微かな温もりを感じ、やがて指が絡まり出す。キミの温もりに呼応するように、僕は既にキミを抱きたくなっていた。中々来ないエレベーターに苛立ちを覚えながら、それでも、期待に鼻の穴を大きく膨らまし始めていた。



つづく

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ひっさしぶりの更新になっちゃいましたねっ(笑)

色々やっぱり年度末、新年度はバタバタしますわ~

とはいえ、色褪せることのない、キミとの話ですので、時期はちょっと外れてしまいますが、これから更新していきたいと思います。お楽しみにっ!!

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